人生は壮大なネタ

面接官はよく出来た物語を求めている。「これまでどんな困難があって、どう乗り越えてきましたか?」なんて質問をするのはそのためだ。僕はこういう物語指向はナンセンスだと思う。僕達は誰かに物語るために人生を送っているわけではないからだ。人生には運が大きく関わるし、行き当たりでやらなきゃいけないことも、そうすべき局面も、そうした方が楽しい状況もそれぞれ多々ある。もしかしたら人生をうまい物語に変換出来る人間は、状況説明が得意で問題解決思考に長けていて、仕事には使えると言えるのかもしれない。でもその結果、テニスサークルの副キャプテンとして後輩を優しく指導しました、みたいな偽りの物語を準備する人達が増えては本末転倒だ。嘘でもいいから、企業は生のままの学生を受けとめて吟味する、という態度を見せるべきなんじゃないだろうか。僕は就職活動中、自分が物書きで良かったと何度も思った。

http://youkoseki.com/diary/2007/01/25#p8